□ 第60回「シーズン佳境へ」

 レアル・マドリーを下したカンはその後も安定した戦いで首位戦線をリードした。今季は開幕からリヨンが好調だが、それに触発されたのかFCポルトも上位に食いつく。スペイン勢の時代が終わったかのような快進撃である。
 ヨーロッパの舞台でもスペインのチームの勢力図は弱まる一方だ。チャンピオンシップでベスト8に残ったのはイタリア3(ユーヴェ、ローマ、ミラン)、ドイツ2(バイエルン、HSV)、イングランド2(リヴァプール、チェルシー)、そしてフランスのカンである。
 準々決勝をサザンリーグ首位のローマと戦ったカンはホームで3−0、アウェイで5−0と大勝。サムエルが移籍してDFラインが弱体化しているローマではカンのスピード溢れる攻撃を止められなかった。カンの選手たちはユヴェントスとの決勝を望んでいるようだ。2シーズン前に準決勝で惨敗を喫したユーヴェ相手に実力を示したいという気持ちが強いようだ。しかし、決勝に進むにはサザンリーグでローマから首位を奪ったACミランを倒さなければならない。リーグ19試合で17失点という堅い守備を誇るミランと19試合で41得点を叩き出しているカンの攻撃陣の戦いが最大の見所となるだろう。
 チャンピオンシップ、各リーグが佳境を迎える中、来季に向けた移籍市場も開いている。主力級と素早く契約更新したカンはシーズン中にマルレとのトレードで獲得したケジュマンとトリスタンのトレードを成立させ、ウディネーゼからウクライナ人DFのネスマチニーを獲得することにも成功した。さらに、退団が濃厚なペドレッティーに代わる選手としてパルマの中田英寿かミランの小野伸二の獲得を狙っているとも言われている。
 この移籍市場で大きな話題になっているのがデル・ピエーロのベティスへのフリー移籍である。ユーヴェでベンチに追いやられていたデル・ピエーロはより攻撃的なウェスタンリーグへの移籍を希望していた。この移籍はベティスがデル・ピエーロをどう使うかという物議を醸した。ショルのいるトップ下に入るのかパレルモの代わりに1トップで使うのか…。もしショルをベンチに追いやるとなるとショルが移籍を希望するのは間違いない。そうなったときにショルがカンに戻るのではないかという憶測まで乱れ飛んでいる。
 次回は最終盤を迎えるウェスタン・リーグの情報とチャンピオンシップ準決勝をリポートすることにしよう。

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