レアル・ソシエダ、セルタ、バルセロナ、バイエルン、レアル・マドリーと強豪との対戦が続くカン・アスレチック・クラブだが、チーム内ではある大事件が起こっていた。それはピリニャークの失恋である。ユース時代から2年間付き合っていた恋人を失ったことで彼のコンディションは最悪な状態になってしまった。チームはこれがマスコミに流れないように努力したが抑えられなかった。
ピリニャークが明らかに集中力を欠き、しばらく使い物にならない見通しでルドルッティーは困惑した。イズマイロフが穴を埋めてくれるだろうが、その控えはいない。ルベイイェールはここのところ低調なパフォーマンスだし、カンデラをMFに上げてガラスをSBにすれば守備力が落ちる。チュルナトやペドレッティーの調子もいまいちでピレスを右に回せない。選手のコンディションが上がらずペドレッティーは頭を悩ませていた。
しかし、気落ちする教え子を見かねたユース監督のフランセがピリニャークに再びモチベーションを与えた。ユース時代にムラの目立つピリニャークをサポートし続けてきたフランセは彼の性格を熟知していた。危機感を持たせ、自信と自尊心をくすぐりピリニャークに再び野心を持たせた。
ピリニャークが戦力として復帰したことでカンは安定感を取り戻した。アンリとキヴィのコンビネーションは日増しに良くなり破壊力を増している。そこにピリニャーク、ピレス、ファン・デル・ファールトが絡んで多彩な攻撃を繰り出す。また、昨季まで苦手にしていた遅攻が機能するようになったことで得点力は大きく向上した。
リーグでは相変わらずリヨンがトップを走っているがカンも着実に勝ち点を拾っていく。チュルナトのロスタイムでのゴールでソシエダを下すと、セルタ戦も勝利、バルセロナと引き分けてレアル・マドリーとの1戦を迎える。
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