WEFAチャンピオンシップ決勝はレアル・マドリードを3−1(1−0、2−1)で下したカン・アスレチック・クラブとACミランに6−2(3−1、3−1)で圧勝したレアル・ソシエダというウェスタン・リーグ勢同士の一戦となった。カンのリーグ優勝がかかったその翌週のリーグ戦でこの2チームが対戦するのも何かの因縁か…。
勝ち点を得るか、ヴァレンシアが勝利しなければ優勝の決まるカンはホームにソシエダを迎えた。出場停止によりチャンピオンシップ決勝でソシエダと戦えないクリスタンバルとピリニャークの奮起でカンが試合を支配する。しかし、ここのところ大ブレーキのシェフチェンコがまた決められない。決定機もポストに嫌われ後半20分過ぎに交代を命じられる。
主役はキヴィだった。2点を決めてチームに4度目の優勝を引き寄せた。1点目はソシエダDFを手玉に取るドリブルから、2点目は苦手なヘディングで決めてみせた。後半途中にシェフチェンコからキャプテンマークを渡されたキヴィはこの試合でサポーターから偉大な先駆者、メーメット・ショルを超えたと認識された。3日後のカップ戦決勝でも見事なループシュートで決勝点を決めたキヴィをレキップ・フットボール誌のビデルマン記者はこう綴った。「この2試合はノルマンディーの“征服王”の戴冠式となった」と。
チャンピオンシップ決勝を控えたカンはマスターズカップで優勝を勝ち取ったばかりのレアル・ベティスとホームで対戦することになった。マスコミは「キヴィがショルを超えたことを証明する試合だ」とこの試合を表現し、エール監督もキヴィの温存を否定した。
チャンピオンシップ決勝、ベティス戦同様に残り2試合のリーグでわずか8得点のシェフチェンコの後釜探しもマスコミを騒がせていた。ローラン会長、スラングソンGMをはじめとする首脳陣はこの答えを模索している最中であった。ここ数試合カベナギにもチャンスを与えているが満足のできる結果を残せていないだけにこの後釜探しは最重要課題である。
ベティス戦を2日後に控えた金曜の夜、メーメット・ショルはベティスのチームメイトより一足早く古巣のカン市に来ていた。試合の前に行きつけだったバーに顔を出したかったのだ。
バーに入ったショルは久しぶりに見るマスターの前に美女というよりはカワイイ女の子と座る金髪の若者を見て驚いた。「アンティじゃないか!」その店の先客はショルの後継者、アンティ・キヴィだったのだ。
突然現れた英雄・ショルにキヴィは驚いた。マスターからショルが昔よく来ていたことは聞いていたし、壁にショルのサインが入ったユニフォームが飾られていることも知っていたがまさか本物が現れるとは…。
ノルマンディーの英雄と征服王の偶然の対面を前にマスターはCLOSEの札を出す。この二人の偶然の対面を独り占めしたいマスターもやはり熱烈なカンのサポーターである。
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