『キーンとギグス欠場でカン優位か!?』準々決勝当日、そんな見出しの新聞がカンのサポーターを煽る。マンチェスター・ユナイテッドとの第1戦をホームで迎えるカンには有利な条件が多いと言われている。第1にキーンとギグスの出場停止、第2にユナイテッドがリーグで連敗中であまりいい状態にないこと、第3に逆にカンは連勝中であることなどが挙げられている。しかし、エールはそんなことに煽られて舞い上がるほど幸せな男ではない。
この第1戦の重要性をエールも選手たちも理解していた。ここでアドバンテージをとらなければ準決勝進出はまた夢と消えてしまいかねない。
試合は激しい攻め合いとなった。左サイドのファン・デル・ファールトとピリニャークで徹底してサイドからの崩しを仕掛けるカンとファン・ニステルローイのポストプレーから中央突破を図るマンチェスター、両者の攻撃はともに鋭く幾度もチャンスを作り出す。しかし、両チームとも最後のシュートまでは打たせず2本づつ決定機を生んだだけで前半は終了した。
後半はカンが圧倒的に主導権を握るがゴールが決まらない。シェフチェンコとピリニャークが際どいシュートを放つもバルテズの牙城を崩せず0−0でマンチェスターでの第2戦に臨むことになった。昨季と同じ展開なだけにエールの心中は穏やかではないようだが、違う点もあったマンチェスターへ向かうカンの選手たちは昨季トリノへ行くときより頼もしい顔つきになっていた。結果も違うものになることを祈りつつ海峡を見つめるエールであった。
|