ソシエダとのグループリーグの天王山を制したカン・アスレチック・クラブは第5節のキエフ戦も勝利して早々とベスト8入りを確定した。3シーズン連続のベスト8である。ソシエダは第5節でチェルシーにアウェイで破れ恐れていた三つ巴での2位争いを戦うはめになった。最終節はカン対チェルシー、キエフ対ソシエダ。この一戦で2位が決まる。
その他のリーグを覗いても今季は混戦が多い。グループAは1位ペルージャ(勝ち点9、得失点−2)、2位マンチェスター・U(同7、+2)、3位リヴァプール(同7、−1)、4位ベティス(同6、+1)でどこが突破できるか最後までわからず、グループCはローマが首位を確定しているものの2位のユーヴェと3位のレアル・マドリーが勝ち点7で並んだまま直接対決を迎える。グループDはプラハが首位確定も、ミラン、ラツィオ、ドルトムントの三つ巴という展開だ。
そんな中、レアル・マドリーの会長選挙が行われることになった。一見、カンには関係ない話のようだがその会長選挙に出馬する候補者の中にショーン・リードという人物がいたことから世界中が騒ぎ出した。リードはアメリカでも有数の大富豪、つまり世界でも指折りの金持ちである。彼は気紛れでさまざまなスポーツのクラブチームを買収しては大金を費やすことでも有名であり、その男がレアル・マドリーの会長になろうというのだ。
彼の公約は地球最強クラブを作るという大それたものであったが、彼の資産を持ってすればそれは十分に可能なことに思える。エール監督はカンの選手の引き抜きもありうると考え緊急に会議を開き対応を協議した…。
グラウンドでは現時点での欧州王者を目指すクラブが凌ぎを削っていた。グループAはペルージャとユナイテッドが順位をキープして突破、グループBはすでに確定していたカンと2位を守ったソシエダ、グループCはローマとユーヴェとの直接対決を制したレアル・マドリー、グループDはプラハと最終節でラツィオを下したミランが突破を決めた。
カンにとって鬼門である準々決勝の今季の相手はマンチェスター・ユナイテッドに決まった。言わずと知れたイングランドの名門である。今大会で5得点を叩き出しているファン・ニステルローイを先頭に、中盤にもスコールズ、ギグス、ロイ・キーン、ダンなどを揃える強豪である。
ウェスタン・リーグは中盤戦に入った。エールの予定通りカンは2位に勝ち点10という大差をつけて首位をひた走っている。9試合で8勝1分、18得点0失点は圧巻である。キヴィが8得点、シェフチェンコも6得点を挙げ好調を維持している。最近のキヴィのプレーぶりはローマの王子・トッティに例えられるほどでフィンランド代表にも召集されている。
エールはたびたびシェフチェンコとカベナギの2トップを試すなどバリエーションの追加を考えていた。このコンビはディポルティーボ戦で2得点を生み出すなど結果も出していた。ビディッチの高い守備力を活かした1ボランチも機能することを証明し、エールはより多くの選択肢を手にしている。今季こそ欧州ベスト4を、というエールの執念に選手たちも応えようと必死であった。
リーグ序盤こそ好調をキープしてきたカンだったが10節を過ぎた辺りからやや失速し始める。10節でソシエダに今季のリーグ戦初失点を許してしまう。コバチェビッチの近距離での強烈なシュートをこの試合が今季初出場だったGKイサクションは防げなかった。直後にキヴィがコースを狙ったテクニカルなミドルシュートを決めて引き分けに持ち込んで敗戦を免れた。続くスポルティング戦も先制点を許す厳しい展開になるものの、終了間際にルーグッグスのD1初得点で追いつきドロー。そしてベティス戦を迎える。
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