□  おまけ第3回「火花を散らすマンチェスター」

 「ユナイテッドにだけは負けない」…アーセナルの台詞ではない、これはマンチェスター・シティの台詞である。つねにサッカーシーンの先端を走ってきたのはユナイテッドである。プレミアリーグ時代もその前もユナイテッドの優勝回数は特筆すべきものだった。
  対してシティはプレミアリーグでは昇降格を繰り返すチームでしかなかった。しかし、MLになって事態は変わった。ずさんな経営でD2スタートを余儀なくされたユナイテッドに対し、シティは確実な補強でD1スタートを切った。予想通りユナイテッドはD2をあっさり優勝してプレーオフへ、シティは最終節で敗れてやはりプレーオフへ。ここで初めてのマンチェスター・ダービーが行われた。誰もが入れ替わりを予想したが結果はシティのD1残留、ユナイテッドのD2「抑留」だった。次のシーズンにはユナイテッドはD1に昇格。そしてその年にD1で2冠を獲得し黄金期を予感させた。
  しかし、黄金期を予感するのはユナイテッドだけではなかった。シティが追随してきたのだ。ユナイテッドが大型補強でリーグを席巻する中で堅実な補強によってアーセナルやリバプールといった強豪を押しのけて3シーズン連続でC.S.の出場権を獲得したのだ。
  そして今季、ついに欧州の舞台でこの2チームが激突した。C.S.での第1戦はユナイテッドホームで1−1。そのあとD1でユナイテッドホームにもかかわらずシティが0−1で勝ちリーグで首位をキープ。
しかしC.S.では無敗で走るユナイテッドに対してシティは1分け2敗とあとがなくなる。そしてシティホームで行われた第4戦、あとがないシティは序盤から圧倒的攻勢に出る。ユナイテッドの中盤を徹底して潰し、前線のトマソン(昨季獲得)とファウラーが積極的にウラを狙い続けた。それが実を結んだのが前半20分。右サイドに張り出したファウラーのクロスをトマソンが落としアンダートン(今季より加入)が美しいというより豪快なボレーで叩き込んだのだ。先制されたユナイテッドも反撃を試みるがシティの堅固な中盤を抜けず八方塞に陥る。その間にもシティは再三ユナイテッドゴールに迫るがファーディナンドとバルデの壁を抜けない。
  最後ににチャンスを掴んだのはユナイテッドだった。後半20分、手詰まりの中盤を嫌ったアイマールが中盤から下がった位置から中盤を切り裂くパスをギグスに通したのだ。パスを受けてそのままGKとの1対1も制したギグスがあっさりと、しかし確実に同点弾を流し込み振り出しに戻した。この時点でユナイテッドは精神的に優位に立った。結局、焦るシティを尻目に抜け目なくポゼッションサッカーを展開して1−1のドローに持ち込んだ。これでユナイテッドはあと1ポイントでグループ突破、逆にシティは1ポイントも落とせない状況になった。
 帰り際にあるサポーターが呟いた。「ユナイテッドには負けなかった。でもそれだけじゃトロフィーもカップももらえないんだよ。今日は負けなかったんじゃない、勝てなかったんだ。」と。ほぼ絶望的な希望ではあるが決勝トーナメントで再びこの対戦が見られることを祈りたいものである。

第6シーズン中
PS2RC

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