□ 第23回「後継者」
 後半はファン・デル・ファールト対バルセロナDFといった構図になった。サイドの右サイドのブッフェルと左のロベールを手足のように使いながらゴールを目指す。 エルゲラとトゥドゥールの激しいプレッシングで中盤を組み立てられないバルサはジリジリと後退を余儀なくされる。

 49分、54分、59分とファン・デル・ファールトの組み立てからピンチを迎えたバルセロナは防戦一方となる。 サポーターからの信頼を勝ち取りたいファン・デル・ファールトは積極的にボールを呼び込み攻撃を組み立てた。幾度もチャンスの匂いのするパスを送り出して先制点を狙った。

 そしてついに待望の瞬間が訪れる。74分、右サイドを駆け上がったカンデラがクロスを入れようと中を見るとファン・デル・ファールトがファーからニアに走りこむのが見えた。カンデラは迷わず、いや、引き込まれるような感覚でそこに速いパスを出した。

 グラウンダーの速いパスを受けたファン・デル・ファールトはついてきたマークマンのプジョールを素早いターンで半歩かわすとペナルティ・エリア手前から左足を振りぬいた。

 ボールはGKリュシュトゥの伸ばした手のはるか先を通過しゴールへ突き刺さった。ファン・デル・ファールトの移籍後初ゴールはカンにとって初のバルサ戦でのリードをもたらした。

 そしてこの1点を守りきったカンはついにバルセロナから1勝を挙げたのである。それもWEFAチャンピオンシップという大舞台で…。

 試合後のエール監督は興奮を隠せなかった。「シェフチェンコの体調があまり良くなかったから引き分けでも上出来だと思っていたが、ファン・デル・ファールトのプレーで勝ってしまったよ。ショルの後継者?今日の彼のプレーには後継者なんて表現は失礼だよ!ショルができなかったバルサ戦勝利をやってのけたんだからね。」と彼を絶賛した。

 試合終了と同時にまるで優勝したかのような喜びようだったカンの選手たちはその夜はホテルで小さな祝勝会を開いていたそうだ。
PS2RC

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