□ 第5回「本日Dデイなり」
 フランス勢での戦いとなったプレーオフはメーメット・ショルの美しいFKで幕 を開けた。第1節はカン・アスレチック・クラブ対パリ・サンジェルマン。前半ロ スタイムにショルがFKを決めて先制したカンだったが後半31分にマドゥニが パウレタを倒して退場。さらにPKを決められて勝ち点1にとどまる。

  第2節のボルドー戦は10本のシュートを放ちながらも守備重視の布陣をひ いたボルドーから点が奪えず0−0のスコアレスドロー。D1への切符は第3 戦に持ち込まれた。2戦終わった時点で1位がPSG(勝ち点4、得失点+1) 、2位ボルドー(勝ち点4、得失点+1)、3位カン(勝ち点2、得失点0)、4位 モナコ(勝ち点0、得失点−2)。カンがD1へ昇格するには第3戦でモナコに 2−0以上で勝利することが条件となった。ここでリーグ戦の最終節でモナコ を下しているという自信がカンの選手たちに勇気を与えることになる。

  試合開始からカンは積極的に前に出た。体調不良で欠場したウルタードの 代役・エディンソンがロベールとともに左サイドを切り崩してチャンスを作り始 める。このサイドアタックで生まれたコーナーキックをカンは活かした。前半ロ スタイム、左からのCKを得るとショルがカベナギにピンポイントで合わせる。 カベナギのヘッドはGKシルバがかろうじて防いだものの詰めていたマドゥニ が押し込んで先制点を挙げた。第1節で退場し前節は出場停止だったマドゥ ニはチームに迷惑をかけたと悔やんでいただけに胸のつかえがとれる思い だったでしょう。

 後半に入ってもペースはカンのまま進む。そして後半38分、ついに2点目が 入った。またもCKからだ。右からロベールが蹴ったCKをモナコDFが中途半 端にクリアしたものをマドゥニが再び折り返してスフォルツァがヘッド。このボー ルをDFがブロックしたもののGKシルバと交錯してオウンゴールになってしまっ たのだ。結局これが昇格を決めるゴールとなった。パリ対ボルドーが0−0で 終わったため勝ち点5で3チームが並んだものの得失点でカンが+2で1位、 パリが+1(3得点2失点)で2位、ボルドーが+1(2得点1失点)で3位とな りカンが念願のD1昇格を決めた。試合後、エール監督は満面の笑みで選手 1人1人と握手し喜びを分かち合った。

  その日の夜から翌日、そしてその翌日までカンの街はお祭りムード1色とな った。新聞各紙はエールの手腕を絶賛し祝福と期待のコメントを並べた。しか し、エールはそんなお祭りムードのウラですでに来季に向けて動いていた。昇 格を祝う祭りがやっと落ち着いた頃、カンは再び新聞誌面を独占した。D1で 戦うための大型補強である。
PS2RC

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