トータルフットボール( 1972・74年 オランダ代表)

 トータルフットボールの創始者リヌス・ミケルス、体現者の"スーパースター"ヨハン・クライフ、そして機能させた秀逸なる人材。この全てが揃っていたからこそ誰にも真似できない「トータルフットボール」が完成したのだ。そして、ほぼ同様のメンバーだったアヤックスにおいても同じことが言える。
 実は、当初このオランダ代表チームを率いていたのは、ファドローネという人物だった。彼は選手からも慕われており、ワールドカップの予選の段階では、一度も相手にリードを奪われたことがなかったが、試合内容自体はそれほどインパクトのあるものではなかった。そこでKNVBは、アヤックスの監督として成功を収め、革新的かつ、「鉄のリヌス」と言われるほど強い信念を持っていたリヌス・ミケルスをスーパーバイザーという形で招聘。アヤックス流のトータル・フットボールを本格的に代表にも導入することを決める。(ミケルス自身は“プレッシング・フットボール”といっていたそうだが)
 
  元々、トータル・フットボールのコンセプト自体は、既に1950年代の初期にオーストリアのヴィリー・メイスルによって「渦巻き」として紹介されていたという・・・それは、チームの選手一人一人が思いのままポジションチェンジをし、渦を巻くようにチームがダイナミックに機能するというものだった。ただ、これを可能にするには、選手一人一人が同じくらい高い技術と戦術眼を併せ持っていなければならなかった。何故なら、あるポジションに入る同じチームの選手AとBの間に大きな力の隔たりがあると、そこには小さな飛沫しか起こらず、大きな渦とはならないからだ。さらに、動きの連続性を持ったその渦が、自ら意思を持つように前進と後退を繰り返すためには、渦の中心にいながら、渦の外からその流れを俯瞰できる稀有なビジョンをもち、渦をコントロール出来るほどの恐ろしい影響力を持った選手が必要だった。 こういうオールラウンド・プレーヤーとフィールド内の監督としてチームを掌握できる選手を同時に揃えることは非常に困難だったので、この構想は実現不可能な単なる空想に終わろうとしていた。
 
  しかし、オランダにはクライフがいた。そして、彼を取り巻く周りの選手もレベルの高い選手ばかりだった。クライフが「渦巻き」の中心となり、彼を軸とするローテーションが組まれることによって、初めてこのトータル・フットボールが現実のものとなった。1969年、アヤックスがオランダのチームとして初めてヨーロッパ・チャンピオンズ・カップの決勝に進出(ACミランに敗れる)。 その翌シーズンには、フェイエノールトがチャンピオンズ・カップで優勝。さらにその次の71〜73年まではアヤックスが3連覇。 こうしてオランダ勢は5年連続チャンピオンズ・カップの決勝に進出し、ヨーロッパを席巻した。

  そして、この強いオランダ勢のアヤックスとフェイエノールトの混成軍であるオランダ代表が、74年、ワールドカップに登場する。
4-3-3システムや4-4-2システムが主流だった1970年代前半に、オランダのアヤックスとリヌス・ミケルス監督が作り出した戦術。スピーディーでダイナミックなこのスタイルは、現代サッカーの基礎となった。それまでのサッカースタイルはポジションごとに役割が決まっていた。しかし、1974年W杯西ドイツ大会に乗り込んできたオランダ代表には決まったポジションがないかのように誰でもが攻め上がり、誰もが守備をする「トータルフットボール」と呼ばれた流れるようなサッカーを披露して、世界のサッカー界を驚かせた。その中心的役割を果たしたのが、天才ヨハン・クライフだった。トータルフットボールとはクライフ、ニースケンス、レップ、レンセンブリンク、ハーンなど 11人のオールラウンドな能力を持ったイレブンが集まったからこそできた戦術なのである。そして、トータルフットボールは現代サッカーに通じるプレッシングサッカー、オフサイドトラップ、ポジションチェンジという特徴を内包している。

  3-4-3はヨハン・クライフとカルロス・レシャックがともに作り出したシステムである。選手がピッチ上に均等に配置され、パスを運ぶための三角形が多数できているのが特徴。実際のゲームの中ではこの多数の三角形がその関係を保ったまま伸び縮みして攻撃・守備を行うので、全員が攻撃・守備の両方の意識を持つことが肝要となる。ディフェンダーは3人で一見3−5−2と同様に見えるが、このシステムではウィングバックはサイドバックの代理までするということではないので、完全に3人で守らなければならない。その代わり、ミッドフィルダーは相手に早めにプレッシャーを掛けて、中盤でボールを奪うような働きが不可欠である。つまり相手が自陣深くに攻めてきてから守るのではなく、ボールが敵陣深いところにある時から既に守備の意識は向いているのである。 そういう意味ではクライフが現役時代に実行した全員守備・全員攻撃のトータル・フットボールに近い形ということが言える。

  トータルフットボールの象徴。誰もが攻め上がり、誰もが守備をする、流れるようなポジションチェンジ。例えば、センターフォワードのクライフが相手ディフェンスをつれながら下がってスペースをつくれば、そのスペースにレップやレンセンブリンクが走り込んでフリーな状態でボールを受け、一度ゴール前から消えたクライフが再びゴールに走り込んでパスを受けるといった、約束事があってのポジションチェンジなのである。当然ディフェンスラインからオーバーラップする選手の穴は中盤の選手がカバーを行う。このカバーリングがしっかりしているため、ディフェンスラインの選手でも、チャンスとみれば積極的にロングシュートを打ちに前線へ上がっていけるのだ。このシステムはオランダのアヤックスはもちろん、イタリアのACミランをはじめ世界中のクラブチームや代表チームに受け継がれている。

ヨハン・クライフ 基本的にはFW、しかし、彼にポジションはあってないようなもの。ゴールゲッターであり、パサーであり、ドリブラーであり、キャプテンであり、なによりもフットボーラーだった 学長

ロベルト・レンセンブリンク ベルギーのアンデルレヒトに所属していた左利きの左ウイング。今のゼンデンをもう少し大きくしたような選手で、78年の時はエース格(5得点)  

ヨニー・レップ 快速の右ウイング。サイド突破だけでなく、真ん中に切れ込んで得点にもよく絡む選手。74年4得点、78年3得点
アヤックスの後は、フランスのサンテティエンヌでプラティニらと一緒にプレーする
 
ヨハン・ネースケンス ダイナミックなボレーやスペースへの飛びこみが得意の攻撃的MF。時としてCF、またある時はディフェンシブハーフ。74年ではチーム最多の5得点 オランダ代表のアシスタントコーチ→NEC監督(00/01〜)

ビム・ファン・ハネヘム スピードはないが、変幻自在な左足から長短のパスを出すパサー。ちょっと偏屈な変わり者。名波をより個性的にしたような選手(と勝手に思っている自分) 元フェイエノールト、AZアルクマール監督

ビム・ヤンセン DFラインから前線までとにかくよく動く。まさに「汗かき」・・・オランダの北澤? 元サンフレッチェ広島監督、前セルチック監督、今は何処?

ルート・クロル 74年はレフトバック。78年の時にはリベロ、クライフがいなかったので、キャプテンも勤める。攻守ともに質の高いプレーを見せ、フランク・デブール、ビンターに次ぐ代表cap数83を持つ、オランダきっての名DF エジプト代表監督後、ザマレク(エジプト)の監督→オランダ代表のアシスタント・コーチ

ビム・レイスベルヘン 金髪のCB。このメンバーの中では一番若く、また実績も乏しい選手だったが、Israel(イスラエル)やHulshoff(フルスホフ)といった選手が家族の不幸や怪我があったりして彼がレギュラーになった。 オランダリーグの下位チームの監督を転々としてる気が・・・

アーリー・ハーン アヤックスでは中盤、74年はリベロ。強烈なミドルシュートをワールドカップでも決めている。オフサイドトラップが世界的に認知されるようになったのも、彼が中心となったこの時のオランダのディフェンスラインに拠るところが大きいと言われている  

ビム・シュルビア 攻撃的なライトバック。時にウイングのように前線に上がり、フィニッシュにも絡む選手で、ウルグアイ戦ではチーム一のシュートを放っている  

ヤン・ヨングブルート 74年の大会までほとんど代表経験がなかった選手だったが、van Beveren(ファン・べべレン、オランダフットボール史上最高とも言われるGK)の故障で、正GKに抜擢される  
スペシャルサンクス
円盤人さん、フィーゴネスさん、ミランの魂さん、しゅうさん、おれんじさん、森下さん、サッカー馬鹿さん、ドクター博士さん
こちらから選択してください↓
 


□ Long .ver List □ 100名 □ Short .ver List □ 93名

 001.ヨハン・クライフ
 002.ペレ
 003.ジーコ
 004.ミシェル・プラティニ
 005.フランツ・ベッケンバウアー
 006.ディエゴ・マラドーナ
 007.ロジェ・ミラ
 008.マリオ・ケンぺス
 009.ゲルト・ミュラー
 010.ボビー・チャールトン
 011.釜本 邦茂
 012.ジョージ・ベスト
 013.レフ・ヤシン
 014.フランコ・バレージ
 015.マシューズ
 016.アルフレッド・ディステファーノ
 017.プスカシュ
 018.エウゼビオ
 019.ガリンシャ
 020.シルビオ・ビオラ
 021.ピーター・シルトン
 022.ジジ
 023.カールハインツ・フェルスター
 024.ビンチェンツォ・シーフォ
 025.ウーベ・ゼーラー
 026.ジャッキー・チャールトン
 027.フリッツ・ワルター
 028.アルツール・フリーデンライヒ
 029.ルート・フリット
 030.アルベルト・スペンサー
 031.ベルント・シェスター
 032.ダンカン・エドワーズ
 033.サンドロ・マッツォーラ
 034.ジミー・グリーヴス
 035.エリック・ゲレツ
 036.ヘルムート・ラーン
 037.ニュートン・サントス
 038.マルコ・ファンバステン
 039.ホセ・マヌエル・モレノ
 040.イーゴリ・ベラノフ
 041.ハンス・クランクル
 042.ボビー・ムーア
 043.カールハインツ・シュネリンガー
 044.アデミール
 045.ジャン・マリー・パフ
 046.ギュンター・ネッツァー
 047.ガエタノ・シレア
 048.エウゼビオ
 049.マティアス・シンデラー
 050.ベルティ・フォクツ
 051.トスタン
 052.オレグ・ブロヒン
 053.ヨハン・ニースケンス
 054.奥寺 康彦
 055.レオニダス
 056.ゴードン・バンクス
 057.ケニー・ダルグリッシュ
 058.ルイジ・リーバ
 059.ゲオルゲ・ハジ
 060.フローリアン・アルベルト
 061.デニス・ロー
 062.グジェゴシ・ラト
 063.レイモン・コパ
 064.ホセ・アンドラーデ
 065.トム・フィニー
 066.ジュスト・フォンテーヌ
 067.イアン・ラッシュ
 068.ロベルト・バッジョ
 069.ロベルト・カルロス
 070.エミリオ・ブトラゲーニョ
 071.ピーター・シュマイケル
 072.パサレラ
 072.三浦 和良
 074.パオロ・ロッシ
 075.木村 和司
 076.トーマス・ブローリン
 077.ブライアン・ラウドルップ
 078.クラウディオ・カニーヒア
 079.ディノ・ゾフ
 080.リネカー
 081.ストイコビッチ
 082.トト・スキラッチ
 083.ロナルド・クーマン
 084.ライカールト
 085.リトバルスキー
 086.ジャン・ピエール・パパン
 087.ラモス 瑠偉
 088.イギータ
 089.尾崎 加壽夫
 090.ソクラテス
 091.ジョージ・ウェア
 092.アスプリージャ
 093.杉山 隆一
 094.トニーニョ・セレーゾ
 095.ファルカン
 096.バルデラマ
 097.カンポス
 098.横山 謙三
 099.フォエ
 100.エンリケ・オマール・シボリ

 001.ガリンシャ
 002.リバウド
 003.ロナウド
 004.ロマーリオ
 005.リベリーノ
 006.ペレ
 007.ジーコ
 008.トニーニョ・セレーゾ
 009.ソクラテス
 010.ファルカン
 011.ドゥンガ
 012.ロベルト・カルロス
 013.ジネディーヌ・ジダン
 014.ミシェル・プラティニ
 015.レフ・ヤシン
 016.ゲオルゲ・ハジ
 017.ジョージ・ウェア
 018.シニサ・ミハイロビッチ
 019.ドラガン・ストイコビッチ
 020.デヤン・サビチェビッチ
 021.ホルヘ・カンポス
 022.マヌエル・ルイ・コスタ
 023.ルイス・フィーゴ
 024.ホセ・ルイス・チラベルト
 025.エンツォ・シーフォ
 026.ロイ・キーン
 027.アンドリュー・シェフチェンコ
 028.エンツォ・フランチェスコリ・ウリアルテ
 029.アルバロ・アレハンドロ・レコバ・リヴェロ
 030.ディエゴ・アルマンド・マラドーナ
 031.ガブリエル・オマール・バティストゥータ
 032.ダニエル・アルベルト・パサレラ
 033.アルフレッド・ディ・ステファノ
 034.クラウディオ・パウロ・カニーヒア
 035.アレクシー・ララス 
 036.ライアン・ジョセフ・ギッグス 
 037.アンドレアス・ヘルツォーク 
 038.マティアス・シンデラー
 039.ジョージ・ベスト
 040.ホセ・レネ・イギータ・ザパタ 
 041.カルロス・アルベルト・バルデラマ
 042.釜本 邦茂
 043.木村 和司
 044.三浦 知良
 045.ホン・ミョンボ
 046.ヌワンコ・クリスチャン・カヌ
 047.エル=ハッジ・ディウフ
 048.ポール・ジョン・ガスコイン
 049.ジョセフ・ケビン・キーガン
 050.アラン・シアラー
 051.ボビー・チャールトン
 052.ギャリー・ウィンストン・リネカー
 053.ヘンドリク・ヨハネス・クライフ 
 054.ロナルド・クーマン 
 055.フランクリン・ライカールト
 056.ルディ・ジル・フリット
 057.マルセル・ファン・バステン
 058.デニス・ベルカンプ
 059.ファビオ・カンナヴァロ
 060.アレッサンドロ・デル・ピエロ
 061.ジュゼッペ・シニョーリ
 062.パオロ・マルディーニ
 063.ジャンルカ・パリューカ
 064.ロベルト・バッジョ
 065.フランコ・バレージ
 066.アレッサンドロ・ネスタ
 067.ディノ・ゾフ
 068.ジャン・フランコ・ゾラ
 069.ボド・イルクナー 
 070.シュテファン・エッフェンベルク
 071.ユルゲン・コーラー
 072.ルドルフ・フェラー
 073.ギド・ブッフバルト
 074.アンドレアス・ブレーメ
 075.ユルゲン・クリンスマン
 076.マティアス・ザマー
 077.ギュンター・テオドール・ネッツァー
 078.トーマス・ヘスラー
 079.フランツ・ベッケンバウアー
 080.ローター・ヘルベルト・マテウス
 081.カール=ハインツ・ルムメニゲ
 082.ピーター・シュマイケル
 083.ミカエル・ラウドルップ
 084.ブライアン・ラウドルップ
 085.ルイス・エンリケ・マルチネス・ガルシア
 086.フェルナンド・ルイス・イエロ
 087.ジョゼップ・グァルディオラ・サラ
 088.ラウル・ゴンサレス・ブランコ
 089.トマス・ブロリン
 090.ズヴォニミール・ボバン
 091.マティソン・ダルグリッシュ
 092.デニス・ロー
 093.パヴェル・ネドヴェド
 




Home>>>    

Copyrights 2002-2003 WEYS.net Project Team All Rights Reserved.